現行のセンター試験に代わり、2021年1月から実施される大学入学共通テスト。
現在の高校1年生の大学受験時からテストが変わる・・・ということでしたが、ちょっと分かりにくかったのが英語の扱いです。
英検などの外部資格は必ず必要なの?
現行の英検だとダメなの?など色々疑問があったのですが、予備校の先生に教えてもらう機会があったりで、とりあえず現状を理解することができました。
現在高校受験に向けて頑張っている中学生にもそのままあてはまる話なのでよろしければ読んでみてくださいね。
センター試験から大学入学共通テストへ
現行のセンター試験が2020年1月で終了し、2021年1月からは形式が変わった大学入学共通テストになるということはずっと前から報道されている通りです。
現在のマーク式から数学や国語で一部記述式が採用されるなど、思考力を問う・・・などと言われていますが、
内容に関しては現在もプレテストなどが実施されている最中で色々と検討されているところなのだと思います。
このうち、既に明らかになっているのが英語に関する変更ですよね。
英語は現状のセンター試験では
- 読むことと聞くこと
の二つに限定されているとの見解から
- ライティング(書くこと)とスピーキング(話すこと)
という今後ますます必要とされるコミュニケーションに関する2技能も加えて
4技能を評価の対象とするということでした。
でもここで、書くことは記述式でどうにかなるかも?ですが、
スピーキングについてはセンター試験のような一斉に大勢の受験生が受験する試験でテストするのは不可能・・・
ということで、
それに代わって英検などの民間の外部資格や検定を利用しようということが決定しています。
そして、この外部の検定結果や資格を大学入試試験の選抜に利用するための仕組みとして「大学入試英語成績提供システム」というものが設けられます。
2021年からの大学入試では、各大学がこのシステムを入試に利用することが勧められています。
具体的にはこの仕組みを採用している大学(学部学科)を受験する受験生は
高校3年生以降の4月~12月の間に受検した2回までの資格・検定試験の結果が大学に提供されるとなっているんです。
とはいっても、全ての大学がその「大学入試英語成績提供システム」を使うかどうかは決まってはいません。
でも文科省としては推し進めたいという感じのようですね。
例えば、東京大学は、この外部検定を利用する仕組みには消極的と報道されていましたが、その後、
初年度は出願の際に
(1)大学入試英語成績提供システムで認定された資格や試験の成績(CEFRの対照表で A2 レベル以上(※)に相当するもの)
(2) CEFR の A2 レベル以上(※)に相当する英語力があると認められることが明記されている調査書等、高等学校による証明書類。
(3) 何らかの理由で上記(1)(2)のいずれも提出できない者は、その事情を明記したもの
いずれか一つの提出を求めるという方針を発表しました。
(※)英検でいえば、だいたい準2級から2級レベル
ただし、出願の要件となるだけで合否には影響しないとしています。
まぁもともとセンター試験の結果もギュギュッと圧縮されてしまう東大ですからね、
一応顔を立てたという感じでしょうか?
参考リンクはこちらです
https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400096214.pdf
https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400099890.pdf
英検が要件を満たしていない?
で、この「英語成績提供システム」で採用する民間検定として
ケンブリッジ英検やTOEIC(4技能)、TOEFLなどが認定されたわけですが、
中学生だと一番馴染みがあるであろう英検(実用英語技能検定)が
当初はこのシステムに参加する要件を満たしていないと発表されましたね(現在は必要な修正をしたかたちで認定されています)。
これは、一次試験の合格者だけが面接のある二次試験に進む
という現行の英検の形式が
「1回の試験で4技能全てを評価する」
という要件に引っかかったためです。
これを受けて、英検では一次試験合格者のみが二次試験(面接)に進めるという形ではない新たな形式の試験が新設されることになりました。
この新設型は必要とされる要件を満たしており、「英語成績提供システム」の試験としてちゃんと認定されています。
今までの英検と内容自体は同じで、今までどおりの勉強(テキストなども同じです)で大丈夫と繰り返しアナウンスされていますので安心?してくださいね。
(ただし下記にあるようなコンピューター利用型についてはパソコン自体の操作や、音声録音時の制限時間に注意することなどが必要とあります)
つまり、現行の英検が引っかかったのは、
一次試験合格者のみが二次試験でスピーキングの試験を受けるということだけだったので、
- 一次試験の結果に関わらず、別日に全員が面接でスピーキングの試験を受ける
- 1日で4技能全て試験する(今までどおりの紙に書く試験に加えて、スピーキングは面接ではなくコンピューター録音式で行う)
- 1日で4技能全て試験する(全てコンピューターを用いる試験)
という3つが新設され、「英語成績提供システム」を利用する受験生はこのうちのどれかを受ければ良いということになります。
こちら公式サイトに詳しくのっています⇒
従来の英検と新方式の英検を知ろう!~入試に向けた学習プランとは?~ | 公益財団法人 日本英語検定協会
実際にこういった外部試験の結果そのものがどの程度合否に影響するのかは、個々の大学が決定することとなり、現状でははっきりわかっていません。
とりあえず、英検については内容自体は変わらず、試験の実施方法が異なるだけなので、既に英検の勉強をされている方なら基本的に今のままの対策で大丈夫ということですね。
高校受験と英検
長男の中学生時代の英語の勉強は、1・2年のうちは英検に合格することを目標として主に進めていました。
結果としてどんどん級を進めていったのが功を奏し、英検の貯金?が高校受験まで持ったという感じでした。
実際には、英検を受けたり対策していたのは中2までで、中3になるとなかなか忙しくて英検のためだけに対策をして受験をするということができませんでした。
中3では、今までの基礎の上に受験対策として細かい文法などを固めていったという感じです。
実際英検2級くらいの実力があると、公立高校の入試問題なら、かなり解きやすいはずです。
この英検が(ほかの認定試験でももちろん良いのですが)大学入試でも関係してくるのであれば尚更、時間のある中学1年、2年のうちに身近な英検の勉強を進められると良いのではと思います。
こちらにはみなさんの高校受験体験がたくさんあります。